2019年11月13日更新
杉沢村伝説の真相!場所や惨殺事件とは【地図から消えた村】
『アンビリーバボー』でも紹介され、都市伝説として有名な杉沢村伝説を紹介します。青森にある杉沢村の場所や、村で起きた事件の経緯、杉沢村伝説と並んで有名な犬鳴村伝説との比較や伝説のモチーフとなった事件の紹介などをしながら、伝説の嘘と真実を徹底的に追及します。

杉沢村伝説とは?
杉沢村伝説は、ある事件をきっかけにしてさまざまな怪異が起こるようになったという、青森県のとある小さな村の伝説です。山の中にあり町から離れたのどかな集落では平和な日々が続いていましたが、事件後には全く違う雰囲気のただよう場所になったそうです。杉沢村伝説とはどのようなものなのか、嘘なのか本当なのか、真実に迫ります。
数ある都市伝説のうちの一つ
杉沢村伝説はこっくりさんやエリア51、口裂け女など、数多くある都市伝説の一つと言われています。そして杉沢村伝説が有名な都市伝説として世の中に広まった背景には、インターネットの普及が関係しているそうです。
インターネットの普及は1990年代に始まりました。1995年に発売されたWindows95にインターネット接続の機能が搭載され、多くのインターネットサービスプロバイダがサービスを開始したため、ようやく一般家庭でもインターネットに接続できる環境が整ったのです。
インターネットの普及が徐々に進み、ネットを仕事ではなく、娯楽として使う人も少しづつ増えていきました。これと同時に、ネット上である奇妙な噂が急速に広まっていきます。それがこれから紹介する「杉沢村伝説」だったのです。
昭和初期に起こったとされる惨殺事件
ある日、一人の村人が発狂し1日で村人全員を殺してしまいました。その後発狂した村人も自ら命を絶ち、村には誰もいなくなったのです。
このことを知った行政は、村人全員が死亡するというショッキングな事件が公になると大変なことになってしまうと考え、事件を隠蔽し、杉沢村の存在を最初から無いものにすべく、杉沢村の記録を全て抹消しました。
幸い杉沢村が山奥の村のため存在を知っている部外者がほとんどいなかったということもあり、騒ぎになるようなことはなく忘れられた村となったのでした。
杉沢村はどこにある?
かつてない残虐な殺人事件が起きた舞台であり、さまざまな怪奇現象が起きる場所として有名になった杉沢村ですが、インターネットで探した限り、杉沢村の正確な場所を知っている人はまだいないようです。はたして杉沢村はどのような場所に存在しているのでしょうか。そもそも本当に存在しているのでしょうか。
現存しない杉沢村
杉沢村は村人全員を殺害するという前代未聞の凄惨な事件が起きた後、公にはその存在自体が消されています。もちろん村人が全員いなくなっているので、村の事を知っていた人は誰もいません。インターネットによって杉沢村伝説が広まることが無ければ、本当に誰も知ることはなかった村なのです。
一部の人々に都市伝説として知られていた杉沢村伝説はインターネットによって広く知られるようになります。やがて雑誌やテレビがこぞってこの話題を取り上げるようになったことで、全国的に有名な都市伝説となっていきました。
たくさんの人々が杉沢村の場所を特定しようとしてきましたが、いまだに確かな情報が無いのが現状です。ただし、確かな情報はないものの「杉沢村らしき場所」を発見したと話す人が複数存在しているのです。
青森県にあった?
杉沢村は青森県の山奥にあった村という噂が最も有力です。そもそも杉沢村という村は、かつて実在していました。正確には村としてではなく集落として存在し、通称として杉沢村と呼ばれる場所があったようです。
ところが杉沢村伝説に登場する杉沢村は、一人の村人が村人全員を殺し最後は自分も後を追った結果、誰もいなくなったということでした。一方、集落として存在していた青森の杉沢村は過疎化の結果、消滅したのです。
このことから、実際に存在した青森の杉沢村と都市伝説として語り継がれている杉沢村は別の村だという説が有力です。
杉沢村への行き方は?
杉沢村は青森の山奥にあるという情報しかなく、それ以上の詳しい情報はありません。青森には観光地として有名な八甲田山をはじめ多くの山が存在しており、その中から小さな村ひとつを探すというのは途方もない作業です。
インターネットで調べると「杉沢村らしき場所」のアクセスは紹介されていますが、本物の杉沢村かどうかは確かではありません。しかし、本物の杉沢村かどうかが分かる手掛かりとなるような物は、いくつか存在するのです。
杉沢村はどんな場所?
杉沢村はいまだに正確な場所が特定されていない、謎多き村であることが分かりましたが、その杉沢村を見つけるためのヒントはいくつかあるようです。
ここからは、杉沢村へと導いてくれるかもしれない物や、杉沢村の特徴などを体験談と共に紹介していきます。また杉沢村伝説と似た都市伝説として有名な犬鳴村伝説についても、杉沢村伝説と比較しながら紹介します。
進入禁止の看板
山奥に存在する杉沢村へ続く道は、自動車も通れないような細い道が一本だけあり、その道の途中には「立ち入り禁止」と書かれた看板が立てられているそうです。
入口に白い鳥居
細い道を進み、森の中を進んでいくと、朽ちかけた白い鳥居が立っており、その鳥居の下には、ドクロのような形の岩があるそうです。そしてその先に伝説の舞台となった杉沢村があると言われています。
無人の廃墟
杉沢村伝説の舞台となった村の跡には、ボロボロの廃屋が数軒建っており、家の中の壁には殺害されたときのものと思われる血しぶきの跡がいまだに残っているそうです。
異臭が漂っている
杉沢村を訪れたことがあると証言したある人物の体験談では、杉沢村には朽ち果てた民家が数件並んでいて、その家の中にはきつい生ごみのような臭いを放つゴミ袋が数個転がっていたそうです。
しばらく家の中を見て回っているとどこからともなく視線を感じるようになり、友達と数人で来ていた証言者は気分が悪くなりました。しばらくすれば治ると思ってたものの、全く治りそうになかったため探索を途中で切り上げて帰ることにしたそうです。
霊の存在や怨念を感じる
長年杉沢村の場所の特定に執念を燃やし、杉沢村があったであろう場所を数か所に絞って現地調査に行った人による証言もあります。その人物の調査によると杉沢村の候補地は4つあるとされます。
そしてその候補地全てで杉沢村らしき痕跡(廃屋や民家跡)を見つけることができたそうです。それらの場所に近づくと、霊感のある人ならば霊の存在を感じ頭痛や吐き気を催すようになるため、杉沢村に入ることはおろか、近くに行くことすら困難になるのだそうです。
「犬鳴村」との違い
突然ですが、杉沢村伝説と同じぐらい有名な都市伝説、犬鳴村伝説のことはご存知でしょうか。福岡県に旧犬鳴トンネルという今は使われていない封鎖されたトンネルがあり、そこを通り抜けると犬鳴村という異様な空気に包まれた村が存在しているというものです。
犬鳴村については、「村の中に入ると携帯電話が圏外になる」「村の入口には、「この先日本国憲法は適用されない」と書かれた看板が立てられている」「長年運転されていなさそうな古びたセダンが村の広場に置かれている」などさまざまな噂があります。
犬鳴村伝説と杉沢村伝説は共に人里離れた村で、奇妙な現象が起きる伝説として有名ですが、二つの似ている伝説にはいくつかの違いが見られます。一つ目は村の場所が特定されているかどうかです。杉沢村は青森の山のどこかにあるという曖昧な場所までしか分かっていませんが、犬鳴村は旧犬鳴トンネルを抜けた先に存在していると言われています。
犬鳴村に繋がっている旧犬鳴トンネルは今も実在しており、その近隣では霊の目撃情報や事故なども相次いでいるため地元では心霊スポットとして有名な場所でもあります。
そして杉沢村と犬鳴村二つ目の違いは、村人がいるかどうかです。杉沢村は村人が全員殺されたことにより誰もいなくなりましたが、犬鳴村にはまだ村人がいて部外者を見つけるなり容赦なく襲いかかってくるそうです。このように杉沢村伝説と犬鳴村伝説には少しの違いはありますが、おおよそ同じような噂が囁かれている都市伝説のようです。
杉沢村伝説のモチーフと噂される他の事件
杉沢村伝説は一人の村人が一日のうちに村人全員を惨殺し、自らもその後を追うようにして命を絶ったという悲惨な過去を持つ村の伝説です。この都市伝説は、嘘とは思えないその詳細な内容から多くのオカルトファンや都市伝説マニアを引き付けました。
そしてその伝説の内容と事件の経緯が似ているため、杉沢村伝説に影響を与えたのではないかと囁かれている事件があるのです。ここからはそれらの事件について紹介していきます。
津山事件
岡山県のある集落で起きた津山事件は、日本の事件史上で最大の犠牲者数を出した殺人事件として今日まで語り継がれています。
ある集落に一人の青年が暮らしていました。その青年は結核を患っていて自分の人生は不幸なものになると思いながらつまらない日々を送っていたそうです。当時不治の病として恐れられていた結核が原因で集落の人々からは避けられ、関係をもっていた女性たちからも疎まれるようになり、どんどんと孤立を深めていきました。
不満がたまりにたまった青年はある日の深夜、前もって準備していた猟銃や日本刀を手に集落の家々を回り、次々と住民たちを殺害していきました。その中には育ての親である祖母も含まれています。そして自分の不満を爆発させこの世に未練のなくなった青年は、自分の不幸をつづった遺書を残し自害したのでした。
杉沢村伝説は一人の村人が一日のうちに村人全員を殺し、最後には自分も自殺したという内容でしたが、この津山事件の概要とよく似ていることが分かります。なお、この津山事件は横溝正史による『八つ墓村』のモデルになったと言われています。
一家八人殺し
一家八人殺しは1946年に起きた大量殺人事件です。犯人は殺された家族の父親の弟で、掘っ立て小屋で兄家族と一緒に暮らしていました。一緒に暮らすようになる前から母親をいじめていたとの疑いを持っていた義姉が、犯人の母親が死に際に苦しんでいた様子を真似てみせたことで復讐心が湧き、子どもを含めた一家八人を殺害したのでした。
息子殴打殺人事件
1955年のある晩、息子から金をせがまれた父親がそれを断ったことで事件に発展しました。断られたことに腹を立てた息子は父親の首を絞めにかかったのです。殺されると本能的に感じた父親は手元にあった鉄クワを握りしめ、無我夢中で息子を殴り続けました。気がつくと息子は血まみれで床に倒れており、既に死亡していたのでした。
弟絞殺事件
1954年10月、薬物中毒で病院に入院していた男が脱走し、母親のいる自宅へ戻りました。男は母親に金を無心しましたが男の兄が金を与える必要はないと言い、男を家から追い出したのです。しばらくすると短刀を持った男が戻ってきていきなり兄に襲い掛かりました。兄はこれに激しく抵抗し、弟の首を締め上げ息の根を止めて殺してしまったのでした。
マキ割り滅多打ち殺人事件
1956年、薬物中毒者だった男は金を入手するために農家であった自宅に保管していた種もみをこっそり売り払おうと考えました。しかし自宅に侵入して種もみを持ち出そうとしていた所を母親と弟に見つかり、家から追い出されてしまいます。
追い出されたことに腹を立てて戻ってきた男は、台所にあった包丁を手にして弟に襲いかかりました。弟はその場にあった斧を使い必死に抵抗し、斧を兄の頭めがけて複数回振り下ろし兄は死亡、弟は服役することになったものの正当防衛が認められ、刑を軽くされました。
杉沢村伝説が語り継がれるわけ
杉沢村伝説は1990年代から現在に至るまでの約20年間語り継がれ、有名な都市伝説となりました。20年の間には杉沢村の他にもたくさんの都市伝説が生まれたのですが、とりわけ杉沢村伝説が多くの人に認知されるようになったのはなぜでしょうか。
インターネットの掲示板
杉沢村伝説は、あるネットの掲示板に杉沢村の噂が書き込まれたことに端を発します。杉沢村伝説の真実はいまだに分かっていませんが、嘘と真実が入り混じり、時には新たな説も追加されながら途絶えることなく語り継がれてきました。
こうして掲示板に新情報が続々と書き込まれた結果、杉沢村伝説の内容はよりリアルさを増し、しっかりとした都市伝説へと成長していったのです。
テレビ番組「アンビリーバボー」での特集
21世紀が始まった2000年には『特命リサーチ200X』や『奇跡体験!アンビリーバボー』などのオカルトや心霊を扱った番組がいくつか放送されていました。そして杉沢村に関しては『アンビリーバボー』で大々的に特集され、杉沢村について徹底的に調べあげた番組内容が大きな反響を呼んだのでした。
『アンビリーバボー』の取材班は、手始めに杉沢村があるとされる青森の山中を捜索しました。残念ながら杉沢村は見つかりませんでしたが、『アンビリーバボー』の取材班はそこで捜索を打ち切ることなく、さらに範囲を広げて青森以外でも杉沢村を徹底的に捜索したのです。
それでも杉沢村がみつかることはなく、『アンビリーバボー』は「村は異次元に存在していて、消えたり現れたりするため見つけるのは困難」と結論付けて番組を締めくくっています。
『アンビリーバボー』の特集は数回にわたって行われたのですが、そのたびにネットや雑誌に『アンビリーバボー』の杉沢村特集に関連した記事が掲載され、オカルト界隈は大いに盛り上がりました。このように杉沢村伝説が有名になった一つの理由として、『アンビリーバボー』が大きな特集を組んだことが挙げられます。
捏造された嘘の可能性も否めない
杉沢村を巡っては『アンビリバボー』などのTVだけでなくネットや雑誌でもたびたび取り上げられ、その度に新たな情報が追加されたりしたため、今ではどれが真実でどれが嘘なのかということが分かりにくくなっています。杉沢村の存在を全くの嘘であるとする見方もあれば、ひたすらに真実を追い続け今も杉沢村を調査している人もいます。
杉沢村伝説は青森発祥の都市伝説であるというのも嘘か真実かは霧の中です。真実を追い求めて探せば探すほど、霧が濃くなるような伝説であると言えます。
杉沢村伝説をめぐる真実とは?
杉沢村で起きた大量殺人が行われたのは昭和の初め頃とされています。これまで出来事が都市伝説として語り継がれてきましたが、約90年前という杉沢村の事件は嘘か本当か確かめようがないぐらい昔の話だったのです。
『アンビリーバボー』の取材班も昔の事件を何件も調査し、杉沢村の真実をとことん追及していましたが、結局のところ真実はなにも分からないままでした。『アンビリーバボー』ではひたすらに真実を追い求めており、それに追従するように雑誌やネットでも杉沢村の真実を追い続ける人々がいたのです。もちろんその中には嘘や真実が入り乱れています。
『アンビリーバボー』は結論として「異世界説」を唱えていましたが、ネットでは杉沢村が嘘やSFではなく、現実にあることを信じて山の中を探し調査記録として残している人たちもいます。杉沢村伝説は嘘なのか本当なのか、真実が明らかになる日は来るのかどうか、それは誰にも分りません。
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