ブランケット症候群とは?ライナス症候群の原因・症状・対処法を解説

タオルケット症候群やライナス症候群などと呼ばれることもあるブランケット症候群とは、どのような症状になるのでしょうか。ブランケット症候群とは何なのか、また子供、大人どちらにみられるのか紹介します。心理的な原因や治療の必要性、診断方法、対処法もまとめます。

 ブランケット症候群とは?ライナス症候群の原因・症状・対処法を解説のイメージ

目次

  1. 1ブランケット症候群とは
  2. 2ブランケット症候群の症状
  3. 3ブランケット症候群の原因
  4. 4ブランケット症候群は治療すべき?
  5. 5ブランケット症候群の子供への対処法
  6. 6ブランケット症候群は成長過程で治まることが多い

ブランケット症候群とは

ブランケット症候群とは依存症の一種です。主に子供の症状ですが、大人になってもなる可能性があります。ブランケット症候群とはどのようなものなのでしょうか。

別名タオルケット症候群・ライナス症候群とも

「ブランケット症候群」とは、特定の物(毛布やぬいぐるみなど)に愛着を持って片時も離さず、その物がなくなると精神的に不安定となったり眠れなくなったりすることを指します。執着の対象がタオルケットやタオルであることも多いため、別名「タオルケット症候群」とも呼ばれます。

また、「ライナス症候群」や「ライナスの毛布」とも呼ばれますが、この呼び名はスヌーピーで有名な漫画「PEANUTS」に登場する男の子ライナスに由来します。ライナスはお気に入りの青い毛布(ブランケット)を肌身離さず持っていて、この毛布がなくなると落ち着かなくなります。ライナスは毛布に執着することで安心感を得ているのです。

「ブランケット症候群」や「タオルケット症候群」や「ライナス症候群」という呼び名は、いわゆる俗称で、心理学上の正式な呼び名は「security blanket(安心毛布)」といいます。

「毛布」という呼び名はついていますが、安心毛布になるのは毛布(ブランケット)に限りません。タオルケットやハンカチ、ぬいぐるみ、枕やクッションなどが安心毛布になりやすいアイテムです。

子供だけでなく大人にみられる場合も

ブランケット症候群は、1~3歳程度の幼児に多い症状です。しかし、かなり成長してからも愛着を抱く物を手放せない子供もいますし、大人にもブランケット症候群があります。大人の場合は、子供の頃から使っているアイテムが大人になっても手放せなかったり、一度は治まったのに再発したり、大人になってから発症したりと、様々なパターンがあります。

共通しているのは、大人の場合も心理的な不安が大きく関与し、社会から受けるストレスや不安を解消している点です。もう大人の分別があるので一般的には、夜寝る時にだけ必要としたり、持ち歩く場合には外出時にはポケットやお守り袋にこっそりと忍ばせたりして、症状と上手につき合っています。安心毛布はストレス解消法でありお守りなのです。

ブランケット症候群は、女性よりも男性に多い傾向があり、イギリスの成人男性の約3割がブランケット症候群だという調査結果もあります。イギリスでは赤ちゃんにテディベアを与える習慣があるため、成人男性の3人に1人はお気に入りのぬいぐるみと一緒に寝るというのです。SNS上で安心毛布談議に花が咲くこともあります。

あなたは大丈夫?ブランケット症候群診断チェック

大人になっても毛布やタオルケットやぬいぐるみが手放せなかったり、それがないと眠れなかったりという症状を、恥ずかしいと感じる人も少なくありません。自分がブランケット症候群であるかどうかを診断してみましょう。

まず、大人になっても手放せない、お気に入りのブランケットやタオルケットやぬいぐるみなどが存在します。それがないと不安になったり眠れなくなったりするようであれば、ブランケット症候群である可能性があります。

一人で自宅にいる時や不安やストレスを感じた時に、そのお気に入りの物を無意識に触ったり匂いを嗅いだりして安心感を得られる人も、ブランケット症候群の疑いがあるでしょう。また、幼少期にブランケット症候群だった人は、日常のストレスなどが引き金になって再発することがあります。

精神的に不安になりやすく、どちらかというと依存体質で、自宅にいるのが一番安心するというタイプの人も、ブランケット症候群になりやすい傾向を持っていると言えるでしょう。これらの中で思い当たる点が多いほど、ブランケット症候群の可能性が大きいと言えます。

ブランケット症候群の症状

次に、ブランケット症候群の具体的な症状を知っておきましょう。ブランケット症候群ではない子供や大人でも、お気に入りの物が一つや二つは必ずあります。その物がその子(人)にとって安心毛布となっているかどうかを見分けるには、どのような症状に注目したらよいでしょうか。

症状①そばにないと不安になる

ブランケット症候群の代表的な症状の一つは、ある特定の物がそばにないと不安になることです。ブランケット症候群の人は、お気に入りのアイテムの匂いを嗅いだり感触を確かめたりすることによって、不安を解消し精神を安定させています。

そのため、それがそばにないと、まるで母親がそばにいない幼子のように不安になってしまうのです。特に夜眠る時は、暗さなどによって不安感が増強されるため、お気に入りのものを触っていないと眠れないこともあるでしょう。

安心毛布の扱い方は人それぞれで、くるまっていたり抱きしめたりしているだけの場合や、毛布の端などを噛む場合、タオルの端の固い部分をにぎにぎしている場合、毛布やタオルケットを足の指に挟んでいる場合などがあります。

症状②出かける時も持ち歩く

出かける時にも愛着のある物を肌身離さず持ち歩くのも、ブランケット症候群の症状の一つです。汚したりなくしたりすると困るから外には持ち出さない、という考え方はありません。公園にもレストランにも、どこに行くにも一緒でなければ気が済まないのです。

症状③そばにないと癇癪を起こす

ブランケット症候群の子供は愛着を寄せる物がそばにないと、癇癪を起して大泣きしたりパニックを起こしたりという症状が出ることもあります。

汚くなったからといって、それを捨てて新しい物を与えても、子供にとって母親が唯一無二の存在であるのと同じで、そのブランケットやぬいぐるみでなければ意味がありません。捨てられたことで睡眠障害に陥ったり、苦い記憶となって一生残ることも多いようです。

また、ブランケット症候群の子供(人)にとっては、その物についている自分の匂いやくたびれた感触が心の拠り所であるため、洗濯をすることも嫌います。乾くまでは触れることができませんし、匂いや感触が変わってしまうからです。配偶者の安心毛布を洗濯してひどく怒られるというケースも少なくありません。

ブランケット症候群の原因

ブランケット症候群について理解できたところで、何故ブランケット症候群になってしまうのかを考えていきましょう。ブランケット症候群の原因には次のようなものがあるといわれています。 

不安やストレスなどの心理的要因

ブランケット症候群の大きな原因の一つは、不安やストレスなどの心理的な要因です。特に子供の周りの環境が変化した時に、お気に入りのアイテムへの依存が見られやすくなります。例えば、断乳のため母親のおっぱいがもらえなくなった時や、弟や妹が生まれた時、保育園や幼稚園への入園が引き金となりやすいです。

今まで常に自分の近くにいて世話をやいてくれた母親が自分から離れていったり、家族以外の人と接することは、子供にとって不安以外の何物でもありません。そんな時、子供は安心毛布に依存することによって、不安やストレスを緩和させ自己防衛しているのです。

子供の成長過程の一環

ブランケット症候群は子供の成長過程の一環とも言われています。乳児の間は母親がつきっきりで面倒をみてくれますが、1歳くらいから乳離れや一人歩きが始まります。自分の一部であると錯覚するほどに絶対的な存在であった母親から離れることは、自立心の芽生えとも言えますが、子供にとってはストレスや不安でもあります。

そこで毛布やタオルケット、ぬいぐるみなどを母親の代わりのように扱い、特別な愛着を寄せることによって安心感を得るのです。それゆえ、持っていないと母親がいないかのように不安になってしまうのです。

特別な愛着を寄せる対象のことを、イギリスの精神分析医ドナルド・ウィニコットが提唱した概念では「移行対象」と呼びます。これは、ブランケット症候群を心理学的見地から解説したといわれる概念です。

移行対象、つまり安心毛布(ライナスの毛布)は、幼児の精神的な発達や自立を助けるという重要な働きをしているといいます。ブランケット症候群の子供は、不安やストレスなどの環境の変化に適応する能力に優れているという見解もあるのです。

幼少期の愛情不足

ブランケット症候群の原因が、幼少期の愛情不足にあると言われることがあります。必要な時期に十分に愛情を受けられなかったために、安心毛布を母親代わりとして手放せないというのです。

しかし現在では、必ずしも愛情不足が原因とは言えないという考え方が主流です。家庭に問題がなくても、安心毛布に依存する子供はいます。断乳や入園は誰でも通る道ですし、人間が不安やストレスを感じるのも当たり前のことです。子供は子供なりにストレスと向かい合っているだけだといえるでしょう。

また、ブランケット症候群の子供はストレス対応能力が高い傾向にあるとも言われます。愛情不足のせいだと決めつけて自分を責めるより、症状を理解して正しい接し方を学び、子供の気持ちに寄り添うことが大切です。

ブランケット症候群は治療すべき?

これまで、ブランケット症候群の症状や原因を見てきました。衛生面が危惧され、みっともないからという理由で、やめさせたいと考える方も多いかもしれません。ブランケット症候群は治療すべきなのでしょうか。

依存症の一種で病気ではない

ブランケット症候群は依存症の一種で病気ではありません。依存症とは言っても、アルコールや麻薬などの依存症とは全く異なり、健康や精神に悪影響を及ぼしたり、他人に迷惑を与えるものではないのです。

ブランケット症候群は、精神的な安心感を求めているだけで、誰でも多かれ少なかれ安心毛布のような存在を持っていて不思議はありません。決して異常なことではないのです。また、発達障害とブランケット症候群との関係性もないと言われています。

成長過程で治まる場合がほとんど

ブランケット症候群は子供の場合、成長過程で治まる場合がほとんどです。子どもは、母親代わりのアイテムがなくても自分でやっていけると感じれば、自然とそれを手放していきます。幼児期から思春期に入るまでは、心配することはないでしょう。

ただ、安心毛布をしゃぶったり噛んだりする症状がある場合は、注意が必要です。爪噛みと同じで歯並びが悪くなったり、顎が変形したりする可能性や、細菌やウイルスにも感染しやすくなることが心配されます。

大人のブランケット症候群の場合は…

ブランケット症候群が、大人になっても治まらなかったり、再発したり、大人になってから発症するケースもあります。しかしほとんどの場合は、外では他人から奇異な目で見られないように、安心毛布と上手に付き合っています。洗濯の重要性を理解している人も少なくありません。家庭で配偶者からの理解が得られるかどうかが最大の問題になりがちです。

ブランケット症候群は、他人に迷惑をかけない方法で自分の気持ちをコントロールしているので、精神安定やストレス解消法としては上手なやり方だという見方もできます。安心毛布はその人にとって大切なお守りなので、周囲の人は否定せず見守ることが大切です。日常生活に支障が出るほど重症であれば、専門医に相談するとよいでしょう。

ブランケット症候群の子供への対処法

ブランケット症候群は病気ではないと言われても、このまま成長して大丈夫なのかと不安に思うことも多いかもしれません。しかし、安心毛布がないと落ち着いていられない子供に対して、ただ取り上げてしまってよいのか迷うところです。今度は、ブランケット症候群の子供に対して、どのような対処をするのがよいのかを見ていきましょう。

対処法①子供の気持ちに寄り添う

ブランケット症候群の子供への対処法は、まず子供の気持ちに寄り添うことです。子供が怖がっていることを、いくら大人が「怖くない。大丈夫よ」と言っても、怖い気持ちは消えません。「そんなものが怖いの?駄目ね」などと子供を否定したり、他の子供と比較するなどは、もっての外と言えるでしょう。

「そうなの、怖いのね」「不安なんだね」と子供の気持ちをそのまま受け入れてあげると、子供は自分の気持ちを理解してもらえたことで安心します。子供はブランケットやぬいぐるみを使って不安な気持ちに耐え、自立しようとしているので、子供のがんばりを認め、言葉にして子供に伝えてあげるとよいでしょう。

対処法②無理に取り上げたりしない

ブランケット症候群の子供から、安心毛布となっている物を無理に取り上げることは、絶対にしてはならないとされています。安心毛布は子供にとって母親の代わりであり、最高の精神安定剤です。年齢にそぐわない、汚いなど、大人にとっては至極当然な理由であっても、子供にとってそれを失うことは母親を失うようなものなのです。

無理に取り上げようとするとかえって不安が大きくなり、ますます安心毛布が手放せなくなる可能性もあるでしょう。それでも強引に取り上げたり、こっそり捨てたりすると、不安で睡眠障害に陥ったり、後々までトラウマとして残ったりすることもあるといいます。子供が自然に卒業するのを見守りたいものです。

対処法③洗濯や外出時は工夫をする

それでも、汚れやばい菌がどうしても気になる場合がありますし、安心毛布が大きい場合には、持ち歩くのも憚られるかもしれません。幼稚園などによっては持ち込みが禁止の場合もあります。そのような場合には色々な工夫をして対処するのがよいでしょう。いずれの場合にも、事前に子供とよく話をして子供が納得した上で行うことが大切です。

洗濯をする時には、匂いが変わりにくいように重曹などで洗ったり、子供が納得のいく方法で子供と一緒に洗ったりすると、子供が受け入れやすくなります。また、いくつかに切って布端を始末し、交代で使えるようにするのも一つの方法です。ブランケット症候群の子供は、安心毛布の匂いや手触りが重要で、大きさに固執することは少ないためです。

安心毛布を外に持ち歩きたい子供には、安心毛布を切って小さな切れ端を作ってあげると、ポーチやポケットやお守り袋の中に入れたり、服やポケットの裏側に縫い付けたりすることができます。ぬいぐるみであればミニチュアサイズのマスコットを作って鞄につけられるようにするのもよいアイディアです。

人目を気にせずに持ち歩き、いつでもどこでも触ることができるという安心感は、子供にとっても受け入れやすいかもしれません。もしも予め、安心毛布になる可能性のあるお気に入りに気づくことができた場合には、同じ物を2つ用意すると交互に洗濯ができますし、ぼろぼろになる速度も半分になります。

対処法④あせらず成長するのを待つ

ブランケット症候群の子供に対しては、あせらず成長するのを待つのも基本的な対処法の一つです。子供は、安心毛布に頼らなくても自分で自分の心を上手にコントロールできるようになり、自信がつけば自然に安心毛布なしでいられるようになります。子供が無意識に自立しようとしている姿なので、温かい目で見守り、精神的な成長を待ちましょう。

ブランケット症候群は成長過程で治まることが多い

ブランケット症候群は、成長過程で治まることが多い症状です。しかし大人でもなる可能性があります。子供でも大人でも、無理に治療する必要はありません。自分でストレスを解消する方法を持っていることは、大きな強味ともいえるのです。子供や恋人、配偶者などがブランケット症候群の場合は、気持ちに寄り添い、温かく見守りましょう。

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この記事のライター
jitsu
一児の母です。自然が好きで、放置竹林伐採ボランティアに参加したり、切った竹や木の実を使ってものづくりを楽しんでいます。

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