2019年11月13日更新
まぐわい(目合ひ)の意味・由来とは?昔と今では意味が異なる?
まぐわい(目合ひ)という言葉の意味や由来を知っていますか。今、想像している意味とは全く違うものかもしれません。間違った概念を正しいものとするために、昔と今とでのまぐわいの意味の違いや類語、昔と今との性行為(セックス)の違いについて詳しく解説します。

目次
「まぐわい」について知ろう!
「まぐわい」という言葉を知っていますか。初めて聞いたという人も少なくはないでしょう。実は大昔から存在する言葉の1つで、今はあまり耳にすることはなくなりました。では「まぐわい」という言葉の意味や由来、類語について説明します。
まぐわいの由来・語源
まぐわいという言葉を聞いて、パッと意味や由来が分かる人は言葉に詳しい人です。まぐわいという言葉は、今からおよそ1300年以上も前から使われていた言葉なのです。「え?そんなに大昔から使われている言葉なの」とびっくりする人もいるでしょう。
まぐわいという言葉の語源をさかのぼると、学生の頃に1度は耳にしたことのある『古事記』が記されたころだといわれています。その『古事記』でまぐわいという言葉が使われている有名なものに「美斗能麻具波比(みとのまぐわい)」というものがあります。
日本の国々を産んだとされている女神、イザナミノミコトとその夫にあたるイザナギノミコトによる神話です。
まぐわいの類語
一言で言ってしまえば、まぐわいという言葉は性行為を意味します。今でいうセックスやエッチといった意味と同じものです。「まぐわい」という字は「目合ひ」と書きます。昔は目と目を見合わせて愛情を通わせることだと言われていました。
一見、目と目を見合わせ愛情を通わせることだと知ると、なんだかとてもロマンチックに思えてくるのではないでしょうか。確かに、昔はまぐわいという言葉はアイコンタクトのようなものでしたが、最終的には今でいうセックスにいきつくので意味としてはあまり変わりないかもしれません。
そのため、まぐわいの類語としてイメージのしやすいものだとセックスや性行為といったものに当たるのではないでしょうか。
今昔で見る!恋愛事情の違い
まぐわいという言葉の由来や類語を知って、昔と今での捉え方の違いがあることが分かりましたか。ところで、昔と今の恋愛事情には違いがあったのでしょうか。言葉の捉え方に違いがあるように、昔と今にある恋愛事情の違いを見ていきましょう。
昔の恋愛事情
昔はどのように恋愛をしてきたのでしょう。昔の話をドラマなどで観たことがある人にとっては、イメージしやすいかもしれません。しかし、まぐわいという言葉が『古事記』に記されるようになった時代、約1300年以上前には、「恋愛」というよりも「儀式」のような形で恋愛が進んでいきました。ドラマなどで観てきたものとは違ってくるかもしれません。
この記事のテーマとも言える「まぐわい」とはイメージも違い、当時はその場に集まった男女が農作を祝って食事やお酒を楽しみ、その場で気になる相手を見つけ性行為(セックス)をするという祭りのような習慣がありました。
今では考えられないことかもしれませんが、実際にこの頃はそのような祭りが習慣だったのでそれが当たり前でした。それから何百年か経ち、ドラマなどでイメージのある恋愛へと発展していきました。時期は平安時代と言われています。
平安時代になると、恋愛に家柄が関わってくるようになりました。当時は朝廷や朝廷に仕える貴族、上級官人の結婚観にも繋がり、出世などに大きく関わる重要なことでした。
また、この頃になると「夜這い」という行為が始まりました。まぐわいと同じ性行為(セックス)のことです。夜這いは男性が女性の寝所に夜になると這い入る行為で、今ではこんなことが起こってしまったら大事件に繋がってしまいます。しかし当時は、旅人を家に泊めた際に家主の娘がその旅人の種を授かるのを名誉だと考えていました。
他にもドラマや本のイメージで、顔がわからないまま結婚する時代だったと認識している人もいるでしょう。実際のところ、顔がわからないまま結婚していたのかハッキリと分かっていません。しかし、昔の人たちは外見ではなく内面を重視する人が多かったようです。
また、昔は身分の高い人しか情報収取できない時代でもありました。そのため、誰もが外見を知ってから結婚できた時代ではなかったと推測されます。
今の恋愛事情
今は昔に比べて自由に恋愛ができる時代になりました。自分が好きになった相手に自ら告白をすることができますし、結婚相手も自由に選ぶことができます。昔の恋愛事情を知ってしまうと、どれだけ今の時代が恵まれているのかがわかります。
しかし、昔行われていた夜這いなどを今の時代に行ってしまえばもちろん警察に捕まります。同意のない性行為は犯罪だと言われる時代になりました。性行為に及ばなかったとしても、相手をしつこく追い回す行為も同じです。
昔と違って今は個々それぞれで自由に恋愛ができる時代にはなりましたが、今でも家柄の問題で、自由に恋愛ができない人がいるのも確かです。昔ほど縛られたものではありませんが、今の時代でも親が決めた相手と結婚する人もいます。
そして、自然に相手を好きになるのではなく、今は婚活パーティーや男女が出会うことのできる飲食店、お見合いなどもありパートナーとなる相手を選べる場が増えてきました。
恋愛を楽しめる場が、昔に比べ大きく広がったことは良い反面、たくさんの犯罪や事件があることも確かです。今は、友人や家族に気軽に相談ができる時代になりました。そのため、そういった犯罪に巻き込まれないように、まずは周りに相談をする人が多くなったのも事実です。
今昔で見る!まぐわいの意味の違い
「まぐわい」の意味をだんだんと把握してきたのではないでしょうか。昔と今とでまぐわいという言葉の意味に大きな差があるわけではありませんが、まぐわいの意味を昔と今とで分けて説明していきます。
昔のまぐわいの意味
冒頭でもお伝えしましたが、まぐわいという言葉は「目合ひ」と書きます。漢字の通り、昔は目と目で愛情を確かめ合うことだと言われてきました。今でいう「アイコンタクト」のようなものです。昔の恋愛事情の中にも出てきましたが、農作を祝う儀式のような場で使われていました。
簡単に言ってしまえば、ふと異性と目が合った時に直感的にビビっとくる感覚に近いものが、まぐわいでした。しかし、元をたどれば性行為をする相手を見つけるのが目的の儀式なので、最終的にはセックスと同じ意味になるようです。
今のまぐわいの意味
昔は目と目で愛情を確かめ合う行動といわれてきましたが、今では性行為やセックスという意味で使われています。なかなか最近では「まぐわい」という言葉を使う人は少なくなりました。今ではセックスやエッチ、またオセッセなどという人もいるようです。
今昔で見る!貞操観念の違い
今では好きな人と愛し合うために自然にするセックスも、昔はそのようにはいきませんでした。では、どんな風にセックスが行われできたのでしょうか。昔と今のセックス事情についてご説明します。
昔のセックス事情
昔のセックス事情はどのようなものだったのか、パッとは思いつかないでしょう。今は避妊具もありますし、ラブホテルという場所も存在します。しかし、昔はもちろん避妊具やラブホテルは存在しません。では、どのようにセックスが行われてきたのでしょうか。
今から何千年も昔の縄文時代には、避妊具やセックスをするような場所はありませんでした。この頃は子孫を残すことに精一杯で、当たり前のようにセックスをしてきました。子供を授かったとしても産まれてすぐに亡くなってしまう事も多く、もし無事に産まれて育ったとしても長く生きられる時代ではありませんでした。
そのため、子孫が途絶えぬようにと子供を作るため、セックスをしていました。もちろん、この頃は電気などもない時代ですし、夜は辺りが真っ暗で動物などもそこら中にでる時代でした。
さらに羞恥心がなかったため、縄文時代の頃は昼間の明るい時間帯に人前でセックスをするのが当たり前でした。昔の人たちは、そのような光景を見てセックスという行為を学んでいたのです。
それから時が進み、江戸時代になると遊女という男性に性的サービスをする女性が現れました。遊女は子供を産むことを基本的に許されていませんでした。もちろん、この頃にも避妊具など普及しているわけもなく、和紙のようなものを自分の膣内に入れて避妊具代わりに使用していたそうです。
しかし、避妊効果があるわけもなく1日何人もとセックスをする遊女にとっては、とても大変な時代だったといいます。その後、平安時代以降も売春宿などがあり、女性はとても大変な思いをしたのです。その頃になると、夜這いが当たり前になりました。
今のセックス事情
今では好きな人とセックスを楽しむのが一般的な考えとなりました。昔のように、性的サービスを提供する風俗店なども多くみられますが、基本的に愛する相手と性行為に及ぶのが普通だとされる時代です。
セフレ(セックスフレンド)のようなセックスのみの関係もある中で、今の時代はお互いが同意の上でセックスをすることがほとんどです。また、避妊具も様々なものが普及され、セックス=子孫を残すという認証ではなくなってきたのが今の時代のセックス事情です。
好きな人と愛し合うため、愛情表現など自分の気持ちを相手に伝えるという意味でセックスをしています。しかし、冒頭でもいいましたが、セフレや風俗店のように性欲を解消するだけの関係などもあり、昔に比べて今のセックスは自由になってもいます。
検証!セックスとまぐわいは違うのか?
今では、まぐわい=セックスと認識する時代だとご説明しました。しかし、まぐわいとセックスにも少し違った意味があるのです。では、セックスとは何なのかまぐわいとは何なのかをご説明します。
セックスは愛の無い性行為
セックスは英語でSEXと書きます。このSEXという言葉は「男女の別」という意味があります。「男女の別?どういうこと?」と感じますが、SEXというのはそもそも性行為という意味で使われておらず、性別という意味で使用されていることがあります。
よく、個人情報を記入する際にある「性別」という欄を目にしたことはありませんか。その部分に当たるのがSEXです。
しかし、日本ではセックスを性行為だと認識しているため、セックス=性別だと感じる人はあまりいません。「男女の別」ということから、男と女は別だという意識がありセックスという言葉には「愛のない性行為」という意味も隠されているのです。
まぐわいは愛のある性行為
一方で、まぐわいはどんな性行為のことをいうのでしょう。結論から言ってしまえば、「愛のある性行為」のことを指します。近年の人々は愛のある性行為を基本としています。セックスには感情がないという意味にも等しいため、愛のある性行為=セックスではないとされています。
愛という表現には、別々という言葉はふさわしくありません。好きな人と気持ちも体も交わりたい、愛情を深めたいという思いから愛情のある性行為は「まぐわい」がふさわしいのではないかとされています。また、交わりたいという言葉からまぐわいを連想させるものもあり、愛のある性行為のことを「まぐわい」といいます。
昔と今では「まぐわい」の意味は変わっている
はじめは「まぐわい」という言葉の意味に疑問を抱えても仕方ありません。まぐわいという言葉1つにもいろいろな意味や感じ方があります。まぐわいという言葉は想像していたよりも、奥が深いと感じたのではないでしょうか。
言葉の意味を理解した上でセックスとまぐわいの違いや昔と今の性事情を知り、今の時代を生きていてよかったなと感じた人もいるかもしれません。これからの未来にも自由を奪われず、個々の自由を尊重して生きていける時代が続くことが望まれます。