2019年11月13日更新
業が深いの意味とは?業が深い人の特徴や業の深い行動を紹介
「業が深い」という言葉を聞いたことはありますか。「業が深い」とは、仏教用語が語源であるといわれています。この記事では、「業が深い」という言葉の意味や語源、類語について解説しています。他にも「業が深い」の使い方や業の深い人の特徴についてもご紹介します。

業が深いの定義
「業(ごう)が深い」という言葉を聞いたことはありますか。日常会話で使用する言葉としては頻度が低いので、聞いたことがないという方も多いことでしょう。ここでは、そんな「業が深い」の意味や語源、類語について解説していきます。
業が深いの意味
「業が深い」とは、「前世での悪行により、その報いを受けているさま」という意味があります。しかし、現在ではこの本来の意味が転じ、「欲深いさま」や「罪深いさま」という意味で使用されるようになりました。他にも「運が悪かった」という意味で、不運に見舞われた際に使用されることがあります。
どちらにせよ、全体的にネガティブな印象を受ける言葉で、良くないことを表すときに使用される言葉であると言えます。
語源は仏教用語
「業」はもともと仏教用語で、「人間の善悪を伴った行動全般のこと」という意味があります。サンスクリット語では「カルマ」と言われ、占いなどのスピリチュアルの世界では「運命」を意味する言葉として使用されることがあります。
仏教では、人間の身、口、意(心)による行為は因果として存続するという考えが基盤となっています。すべての善い行いも悪い行いも、前世、現世、来世へと続き、いずれ自分へ報いとして返ってくるのです。この「業」は前述したように善行悪行両方を指す言葉でしたが、現在では「人間の悪行」を指す言葉として使用されるようになりました。
「自業自得」という四字熟語はもともと仏教用語の「業」から来た熟語であり、本来は「良いことも悪いことも、全て自分の行いの結果である」という意味となります。しかし、現在は「業」が悪いことを指す言葉として広まったことから、「悪いことが起きたのは全て自分の行いの結果である」という意味に変化しました。
業が深いの類語
「業が深い」の類語は以下の通りです。
- 欲深い
- 罪深い
- 背徳的
- 不道徳的
業が深い人の特徴
ここでは、業が深い人の特徴について解説します。「業が深い」とは、「欲深い」や「罪深い」と同義であると前述しましたが、果たしてどのような人が業が深い人であると言えるのでしょうか。見ていきましょう。
特徴①独占欲が強い人
業が深い人とは、独占欲が強い人と言えます。言い換えれば、嫉妬深い人は業が深いと言えるでしょう。嫉妬心や独占欲は、不安や不信という感情から生まれるものです。「人は裏切る生き物だ」という考えは、自分が人を裏切った経験があるゆえに生まれてしまいます。
そのため、独占欲の強い人は恋人を必要以上に束縛し、支配することで安心を得ようとします。しかし、歪んだ嫉妬心や独占欲は、恋人だけでなく自分を苦しめることにも繋がります。そのため、独占欲が強い人は業が深い人であると言えるのです。
特徴②金銭欲が強い人
業が深い人とは、金銭欲が強い人と言えます。金銭欲は誰もが持っている欲望の一つでしょうが、金銭欲が強いというのは少々意味が異なってきます。お金を大事にする人は、将来を見据えた使い方を考えます。しかし、お金に執着する人(金銭欲が強い人)は目先の利益に考えが傾きがちです。
そのため、おいしい話に飛びつき、結果として詐欺被害にあってしまうことがあります。お金に執着するがゆえに、お金に身を滅ぼされることになります。そのため、金銭欲が強い人は業が深い人であると言えるのです。
特徴③自己顕示欲が強い人
業が深い人とは、自己顕示欲が強い人と言えます。自己顕示欲とは承認欲求の一種で、他者に認められることで満たされるものです。自己顕示欲の強い人は、コンプレックスを抱え、自分に自信がありません。そのため、他者から認められようと自分を誇張したり、威張ったりするのです。
しかし、このような態度は好まれるものではなく、他者から認められるどころか疎まれてしまう原因になります。そのため、自己顕示欲が強い人は業が深い人であると言えるのです。
特徴④物欲が強い人
業が深い人とは、物欲が強い人と言えます。ものはお金があれば自分のものにすることができるため、物欲はお金さえあれば簡単に満たすことができる欲求であり、陥りやすい欲求なのです。買い物依存症という病気があるように、ストレス解消のために物欲を満たそうとします。金額は関係なく、手に入れば何でもいいという考えにもなるでしょう。
止まらない物欲を満たそうと買い物を続けていくうちに、ついに首が回らなくなり、結果生活が破たんしてしまう事態に陥ってしまいます。ものは手に入っても、失うものの方が大きくなってしまいます。そのため、物欲が強い人は業が深い人であると言えるのです。
業の深い行動とは
ここでは、業の深い行動について解説します。業が深い人の特徴について前述しましたが、果たして業が深い人の特徴と業の深い行動は関連性があるのでしょうか。見ていきましょう。
断捨離できない
断捨離できないのは、業の深い行動と言えます。「断捨離」とは仏教用語が語源で、「不要なものを手放し、ものへの執着を手放す」という意味があります。片付けと違い、ものに対する意識を変えなければいけません。
- いつか使うかもしれない
- 思い出の品だから捨てられない
- 高かったから捨てるのはもったいない
このように、物欲の強さが断捨離できない原因となります。したがって、「物欲が強い人は業が深い人である」と前述したように、「断捨離できないという行動は業の深い行動」と言えるのです。
豹変癖がある
豹変癖があるのは、業の深い行動と言えます。
- 普段は温厚な性格なのに、お酒に酔うと攻撃的になり、暴力を振るうようになる
- 人前では気さくで人当たりが良い夫なのに、家に帰ると暴言を吐いたり、暴力を振るったりする
- 車の運転をしていると、攻撃的になりすぐイライラするようになる
このように、普段の行動ではわからないものの、何かきっかけがあると豹変する人がいます。豹変してしまう理由として、「周りには良い人に思われたい」という自己顕示欲が根底にあり、普段は本来の自分を抑えているからです。
しかし、お酒に酔ってしまったり、自分を抑える必要のない相手の前だったり、車の中という狭い空間の中だったりと、気が緩んでしまう場面で抑えていた本性が顔を出してしまうのです。したがって、「自己顕示欲の強い人は業が深い人である」と前述したように、「豹変癖という行動は業の深い行動」と言えるのです。
決断ができない
決断できないのは、業の深い行動と言えます。決断できない理由として、物事の取捨選択ができないことが挙げられます。
- こっちの条件も良いけど、あっちの条件も魅力を感じる
- あれも必要だけど、これも必要な気がする
このように、決断できない行動というのは欲深さから来ており、金銭欲の深さが原因だったり、物欲の深さが原因だったりします。すべての欲求を何としてでも満たしたいという業の深さから、物事の選択肢を狭めることができないのです。
したがって、「業が深い」というのは、「欲深い」ことと同義であると前述したように、「決断できない行動は業の深い行動」と言えるのです。
「業が深い」の使い方
「業が深い」という言葉は聞き慣れない言葉のため、どのような場面で使用すればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、「業が深い」の使い方をご紹介します。
使い方①不運な人に対して使う
- 彼女が不運に見舞われているのは、きっと祖先の業が深いからだろう。
- 彼が交通事故にあってしまったのは、普段の業の深い行動がそうさせたのだろう。
使い方②行動に対して使う
- 彼女はブランド品ばかり買いあさり、業の深さが持ち物に表れている。
- 彼女は恋人を次々に変えているため、周囲の人は「彼女の業は深い」と言っている。
使い方③人間に対して使う
- 人間とは、業の深い生き物である。
- 彼は業の深い人相をしている。
業が深い人は行動を見れば一目瞭然
業の深さは身に染みついているものであるため、普段の行動に出てしまうものです。いくら謙虚に取り繕ってみても、長年染みついてしまっているものをごまかすことは不可能に近いです。人付き合いをする際は、相手の行動や言動、態度をよく観察するようにしましょう。そうすれば、相手は業の深い人なのか、そうでないのかがおのずとわかってくるはずです。
そして、「人のふり見て我がふり直せ」のことわざの通りに、普段の自分の行動を顧みるようにしましょう。悪いところは悔い改めるよう努力することで、代々背負ってきた業の深さを解消することに繋がるかもしれません。
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