山岳ベース事件の真相!あさま山荘事件に繋がる連合赤軍リンチ殺人事件

山岳ベース事件という事件をご存知でしょうか。その内容はまさに日本の黒歴史とも呼べる、理不尽かつ一方的なものでした。そんな山岳ベース事件の概要や犠牲者(死者12名)が受けたリンチ内容、またあさま山荘事件との関連についてもご紹介致します。

山岳ベース事件の真相!あさま山荘事件に繋がる連合赤軍リンチ殺人事件のイメージ

目次

  1. 1山岳ベース事件とは
  2. 2あさま山荘事件とは
  3. 3残忍な山岳ベース事件の犠牲者と死因とは
  4. 4山岳ベース事件でリンチが行われた理由
  5. 5山岳ベース事件の終結や事件が起こった背景について
  6. 6山岳ベース事件に出てくる用語解説
  7. 7山岳ベース事件犯人への裁判の判決とは
  8. 8山岳ベース事件は壮絶なリンチ殺人事件だった

山岳ベース事件とは

1960年頃から日本では盛んに政治運動や学生運動が行われていました。そんな様々な運動が下火になりつつあった1970年代、左翼派の中でも過激派と言われる「連合赤軍」が国内で山岳ベース事件を起こし、世間を騒がせました。

中でも特に世間を騒がせた事件をあさま山荘事件といい、ご紹介する山岳ベース事件発覚のきっかけとなった事件でもあります。では山岳ベース事件とはどのような事件だったのでしょうか。まずは山岳ベース事件の概要からご紹介致します。

山岳ベース事件の概要

山岳ベース事件とは死者12名という犠牲者を出した、連合赤軍の仲間内によるリンチ殺人事件です。その事件の内容は残虐なものであり、犠牲者である死者12名は通常では考えられない理由で殺害されたと言われています。

またこのリンチ殺人事件の少し前に、山岳ベース事件のリーダー格となった永田洋子ら3人は銃屋を襲撃して武器を奪っており、活動の目的を最高指導者奪還から武力闘争へと変更しています。共産主義化のため、「総括」という名目で行われたのがこのリンチ殺人事件でした。

「総括」という名のリンチで死者12名

組織の中で暴力・殺人が行われる場合、その多くは暴力や殺人を正当化するための理由を作ります。この山岳ベース事件の場合、「総括」という言葉によって暴力が正当化されていました。

山岳ベース事件のリーダー格であった指導部は、リンチすることが「仲間を真の革命戦士にする行為だ」と語り、仲間同士や兄妹同士、また恋人同士までもリンチ・殺人に参加させたと言われています。

あさま山荘事件がきっかけで発覚

この山岳ベース事件は連合赤軍が合同訓練場所としていた山岳ベースで起こったもので、当時の警察はあさま山荘事件が起こるまで、山岳ベース事件については全く気付くことができませんでした。

反政治団体の訓練所の様子を警察が知るわけもなく、現場が公に知られる場所でなかったことも、この異常なリンチ殺人事件を引き起こす原因だったのかもしれません。ではこの山岳ベース事件が発覚する原因となったあさま山荘事件とはどのような事件だったのでしょうか。あさま山荘事件の概要についてもご紹介致します。

あさま山荘事件とは

山岳ベース事件同様、この「あさま山荘事件」について覚えている人も多いのではないでしょうか。当時このあさま山荘事件の報道は、視聴率50.8%を記録した、まさに日本中が注目した事件でした。

今後抜かれることはないと言われる視聴率をたたき出した、この事件の概要は一体どのようなものだったのでしょう。あさま山荘事件の概要についてご紹介致します。

あさま山荘事件が起きたきっかけとは

あさま山荘事件が起きたきっかけは、連合赤軍が直前まで拠点としていた秦名山、迦葉山のベース跡地が発見されたという「連合赤軍メンバーの焦り」でした。群馬県警の包囲網が近づいていると感じた坂口弘らは群馬県にあった妙義山のベースから逃げ、山越えをします。

そしてまだベースの捜査に乗り出していないと思われた長野県警の管轄へ逃げ込もうと考えました。しかし事件当時の山の寒さは厳しく、ろくな装備も持っていなかったことから山中で迷ってしまいます。結果、軽井沢に降りることを余儀なくされ、人質を確保できたあさま山荘に立てこもり、事件が起きてしまいます。

連合赤軍による立てこもり事件

あさま山荘事件とは連合赤軍の犯人グループが人質と共に長野県にある軽井沢の「あさま山荘」に立てこもった立てこもり事件です。その期間は1972年2月19日から9日もの間続きました。

事件発覚後、警視庁及び長野県警機動隊がすぐにこの山荘を包囲しましたが、事件解決は難航を極めたと言われています。結果、死者3名(機動隊員2名、民間人1名)、重軽傷者合わせて27名(機動隊員26名、報道関係者1名)という、多くの犠牲者を出す事件となりました。

残忍な山岳ベース事件の犠牲者と死因とは

あさま山荘事件をきっかけに発覚したこの山岳ベース事件、残虐なリンチ・殺人の内容とはどのようなものだったのでしょうか。山岳ベース事件で行われた仲間同士によるリンチ・殺人の内容を、総括(リンチ)された理由と共に詳しくご紹介致します。

山岳ベース事件1人目の犠牲者・凍死

山岳ベース事件、死者12名のうち1人目の犠牲者は尾崎充男という当時22歳の男性です。この1人目の犠牲者はリンチや殺人にエスカレートする以前から、何度も総括の対象とされた人物でした。

当初の総括は山岳ベース事件でのリンチのようなものではなく、しばらくの間作業に参加させてもらえない、といった程度の常識的なものでした。しかし総括の内容は次第にエスカレートしていき、結果山岳ベース事件1人目の犠牲者を出してしまいます。

尾崎充男の最終的な死因は凍死でした。交番への襲撃や武器の隠し場所を教えたという理由から、集団による暴行を受け、気温-15℃という極寒の中に縛り付けられたまま放置されたと言われています。

山岳ベース事件2人目の犠牲者・全員からのリンチで死亡

山岳ベース事件、死者12名のうち2人目の犠牲者は進藤隆三郎という当時21歳の男性です。山岳ベース事件1人目の犠牲者となった尾崎の次の総括対象とされ、尾崎が殺害された翌日、メンバー全員からの激しいリンチによって殺害されました。

総括対象となった理由は元彼女が警察に逮捕されたことから、内通していたという嫌疑が掛けられたと言われています。総括対象とされた際、進藤隆三郎は疑いを否定し続けたそうですが、誰一人として耳を傾けることはなく、永田洋子の命令通り全員がリンチ・殺害に参加しています。

山岳ベース事件3人目の犠牲者・凍死

「あんたたち、こそこそと!いやらしい!革命する気あるの!!」

山岳ベース事件、死者12名のうち3人目の犠牲者は小嶋和子という当時22歳の女性です。小嶋は同じ連合赤軍内の加藤能敬と交際していました。しかし2人がベース小屋の裏でキスしているところを永田洋子に目撃されてしまい、山岳ベース事件の犠牲者となります。

永田洋子は連合赤軍メンバーでの恋愛をひどく嫌っており、現場を目撃した際、上記の言葉を浴びせたと言われています。また革命家が恋愛をするなんて、と他の連合赤軍メンバーに強く訴えたそうです。

その言葉に反対するメンバーはおらず、2人は総括の対象にされました。小嶋は激しいリンチを受けた後木に吊るされており、最終的な死因は凍死でした。

山岳ベース事件4人目の犠牲者・暴行を受け死亡

山岳ベース事件、死者12名のうち4人目の犠牲者は、小嶋和子の交際相手である、当時22歳の加藤能敬でした。加藤は小嶋と共に激しい暴行を受けましたが、1日の暴行で命を失うことはありませんでした。しかし当然それで総括が終わることはなく、永田洋子に命令された弟2人によって殴り殺されています。

「兄を革命戦士にするためだ」という永田洋子の言葉に、弟二人は涙を流し謝罪しながら激しく兄へ暴行を続け、そのまま殺害してしまいました。

山岳ベース事件5人目の犠牲者・全員から暴行を受け死亡

「あんた、鏡ばっかりみて革命する気あるの?本当にやる気があるんなら自分で自分を統括しなさい!」

山岳ベース事件、死者12名のうち5人目の犠牲者は遠山美枝子という当時25歳の女性です。遠山が総括対象になった理由は、ただ鏡の前で髪を梳いていたという理由でした。その際のセリフは上記の通りです。遠山は永田洋子に言われた言葉通り、自分で自分の顔を30分以上も殴り続けました。

そしてそのまま髪を切られ、逆エビに縛られたまま全員から暴行を受けて殺害されています。また永田洋子は暴行時にも「メンバーに色目を使っていた」などと罵っていたそうです。

遠山の家は母子家庭であり、母親には「革命戦士になるから!」と語っていたという話もあり、革命に対する気持ちは本物だったと言われています。しかし遠山は言いがかりによる総括の後、山岳ベース事件の犠牲者となりました。

山岳ベース事件6人目の犠牲者・暴行を受けて死亡

山岳ベース事件、死者12名のうち6人目の犠牲者は行方正時という当時25歳の男性です。この男性の総括理由は不適切な発言が原因だったと言われています。死因はメンバーからの暴行であり、5日間縛ら続けた後に殺害されています。

総括の原因となった発言は「敗北死」した(総括を受け死亡した)山岳ベース事件被害者を「反革命の死」と発言したことであり、この発言はスターリン主義であると批判され、総括対象となりました。「反革命の死」と発言した際、行方はベースに戻ってきたばかりであり、「敗北死」という言葉や共産主義についても詳しく知らなかったと言われています。

山岳ベース事件7人目の犠牲者・めった刺しの後絞殺

山岳ベース事件、死者12名のうち7人目の被害者は寺岡恒一という24歳の男性です。寺岡は総括自体に疑問を抱いていた人物で、親友を信じてこのままじゃ全員殺される、と話したそうです。しかしその親友が裏切り、永田洋子に密告したことによって山岳ベース事件の犠牲者となりました。

密告されたと知った寺岡は永田洋子に対し、自身が永田洋子を嫌っていたことを告げ、「この風船ババア!」と悪態を吐いたそうです。これに対し激怒した永田洋子は、総括ではなく死刑を命じました。

その命令通り最初の一人がナイフで太ももを刺した後、動けなくなった寺岡をアイスピックで心臓や首などの急所を指していったと言われています。それでもなかなか死ぬことの無かった寺岡は、最終的には4人がかりでの絞殺で殺害されました。

山岳ベース事件8人目の犠牲者・めった刺しの後絞殺

山岳ベース事件、死者12名のうち8人目の犠牲者は山崎順という21歳の男性です。山崎は前日の寺岡の死刑に加わることができず、リーダーに厳しく責められ、理由を追及されました。そのためか、山岳ベース事件の異常な状況から逃げだしたいという気持ちになっていたそうです。

しかし連合赤軍の総括には脱走防止のための見せしめという意味も含まれており、別の山岳ベースでは脱走メンバー2名が死刑にされています。脱走することも不可能だと感じたのか、山崎は涙を流しながら自ら死刑を望み、山岳ベース事件の犠牲者となりました。全身をアイスピックでめった刺しにされた後、寺岡同様絞殺されています。

山岳ベース事件9人目の犠牲者・縛られて放置され死亡

山岳ベース事件、死者12名のうち9人目の犠牲者は山本順一という28歳の男性です。山本は家族で連合赤軍として活動しており、総括は妻の目の前で行われました。

激しい暴行を受けた後逆エビに縛られて柱に繋がれ、身動きが取れない状態で放置されたと言われており、妻は縛られた山本の胸で顔を埋めて涙を流していたという話も残っています。

また苦痛に耐えかねたのか山本は舌を噛み切って自殺しようとしました。しかしそれでも死にきれず、最終的な死因は出血死か衰弱か、そのまま放置されたことによって死亡しています。総括理由は家族や妻に対する態度が偉そう、とメンバーに言いがかりを付けられたことだったそうです。また山本の妻は山本の死後脱走しています。

山岳ベース事件10人目の犠牲者・激しい暴行によって死亡

あんたは可愛すぎる。あんたは男兄弟で育ったから男にちやほやされすぎているのよ。男に媚びる方法を無意識に覚えちゃってるの。このことを総括しないと駄目よ

あんたは頭が良すぎるのよ。本ばっかり読んで知識ばかり増やしても駄目。あたしみたいな単純バカになれば総括は簡単だけど。早く総括しちゃってよ

山岳ベース事件、死者12名のうち10人目の犠牲者は大槻節子という23歳の女性です。総括対象になった理由はメンバーと議論する際に「敗北」という言葉を使用してしまったことでした。

しかし実際の理由は上記の発言からも分かる通り、大槻が美人で頭が良かったことをリーダー格である永田洋子が妬んでいたことだとも言われています。永田洋子に髪を切られた後、全員からの激しいリンチを受けて殺害、山岳ベース事件10人目の犠牲者となりました。

山岳ベース事件11人目の犠牲者・激しい暴行によって死亡

山岳ベース事件、死者12名のうち11人目の犠牲者は金子みちよという24歳の女性です。10人目の犠牲者である大槻同様、金子も美人で頭が良かったと言われています。山岳ベース事件当時、金子は妊娠しており、妊娠できない体であった永田はそれに対しても嫉妬の感情を抱いたと言われています。

また、頭の良かった金子は連合赤軍の会計をしており、お腹の子供は中央委員会(連合赤軍の幹部組織)の幹部、吉野の子供だったと言われています。永田は美人で聡明だった金子に、自身の立場を脅かされるのではという不安を感じたのかもしれません。金子みちよは大槻と共に縛られ、お腹の子供と一緒に全員から暴行を受けて殺害されました。

山岳ベース事件12人目の犠牲者・リンチによる衰弱死

山岳ベース事件、死者12名のうち12人目の被害者は山田孝という27歳の男性です。山田は赤軍派時代、森よりも立場が上の人物でした。連合赤軍とは1年間の投獄から解放された後に合流しており、山岳ベース事件リーダー格の中で最もまともな感覚を持った人物でした。

総括という名の惨劇に異論を唱え、合流したいと志願してきたメンバーに対し、「今は来ない方がいい」と合流しないよう勧めたりしていたと言われています。そして思想の違いに限界を感じた山田は脱退したいという旨をリーダー格のメンバーに告げたそうです。しかし当然それが叶えられることはなく、雪の中で正座を命じられ、総括対象となりました。

山田は、脱退の意思を伝えてすぐに殺されることはありませんでしたが、食事抜きなどの罰を受け、10日間ものリンチを受けた後死亡しています。死因は衰弱死でした。殺されない程度に10日間痛めつけられ続けるという、山岳ベース事件の中で最も長期間、リンチの恐怖に耐えた犠牲者だったと言えるでしょう。

山岳ベース事件でリンチが行われた理由

ご紹介した通り、山岳ベース事件の被害者は一様にひどいリンチを受けて殺害されました。その総括理由はどれも一方的なものであり、冤罪や言いがかりと言ったものが多数ありました。その山岳ベース事件でリンチが行われた理由や、そのようにして総括対象が決定されていたかについてもご紹介致します。

森恒夫と永田洋子の決定事項

・短期間に個々人の内在的総括をなし切らねばならない

・暴力による指導、暴力による同志的援助が必要である

・総括し切れない者には、命がけの状況(ロープで柱に縛りつけ、食事も与えない)を強要して総括させ、決して甘やかしてはいけない

・縛られた者は、たとえ片腕を失くしても革命戦士になろうとする気概をもって総括すべきである

・縛られた者が総括し切るという事は0から100への一挙的な飛躍である

山岳ベース事件において、総括という名のリンチは誰によって命令されていたのでしょうか。命令を出していた内の一人は、犠牲者を紹介した際にも何度も名前が挙がった永田洋子です。そしてもう一人は永田洋子と同じく山岳ベース事件のリーダー格だった森恒夫という男性です。

しかし総括や死刑を指示していたのは永田洋子のみであり、森は既に行われた総括や死刑に、合理的な理由を後付けしていただけとも言われています。逮捕後に森の書いた自己批判書によると、思想は上記のようなものでした。

確かに暴力を良しとすると捉えられる文面もありますが、森は2人目の殺害を耳にした際「もうあいつらは革命家じゃない」という言葉を漏らして動揺を見せています。そのことからも、当初の森の思想に「殺害」という意味は含まれていなかったのかもしれません。

また山岳ベース事件でリンチを加えた者の多くは、掲げていた「共産主義化」自体、どういうものなのかを理解していませんでした。さらに驚くべきことに、山岳ベース事件主犯格である永田洋子も理解していない内の一人であったと言われています。

当然山岳ベース事件の犠牲者自身も、なぜ自分が総括対象となったのかを理解できないまま総括されていたと言われています。

永田洋子の嫉妬も総括理由の一つ

山岳ベース事件犠牲者の紹介でも触れた通り、女性の犠牲者が総括された理由は永田洋子の嫉妬から来るものでした。子供を産むことができないと言われていた永田洋子は、自身のコンプレックスからか、カップルや恋愛と言ったものをひどく嫌悪していたと言われています。

そのため、見た目の美しい女性はそれだけで「男に媚びている」と判断し、髪を梳くなどの見た目を整える行為も総括の対象としてしまいます。森の掲げた「共産主義化」のための総括要求の論理を捻じ曲げて理解していたことや、永田自身がそれを指示できる立場にあったことが重なり山岳ベース事件はエスカレートしていきました。

外部へ向かえなかった力

連合赤軍とは、資金の足りない革命左派と武器の足りない赤軍派が利害の一致から統合したものでした。それに伴い、警察の目が届きにくい山中に山岳ベースを作り、合同軍事訓練などを行う拠点としていました。しかし結成後、革命左派、赤軍派共に警察の追及によってこれといった活動ができなかったと言われています。

革命を掲げながら何も行動できない焦りや、自身の今後への不安など、連合赤軍メンバーには一人ひとり様々な不安や焦りがあったのかもしれません。曖昧な共産主義化を掲げた閉鎖的な空間で、その不安や苛立ちは、行き場を失ったと言われています。結果「総括」は当初持っていた意味を変え、仲間内で集団リンチを行うための口実へと変わっていきました。

メンバーを脱走させない為

山岳ベースを拠点としてから活動が減ったためか、メンバーの脱走が相次いだと言われています。そんな脱走者の粛清として、脱走後捕まった元メンバー2名が処刑されるという印旛沼事件も起きており、連合赤軍指導部は脱走を阻止することにも注力していました。

しかし総括の内容がエスカレートするにつれ、総括に加わりたくないと考える者が増加、それに伴い脱走者も増加してしまいます。それに対して幹部たちは、メンバー全員を総括に参加させ、共犯にすることで脱走・脱退できないようにしたと言われています。

山岳ベース事件の終結や事件が起こった背景について

死者12名という犠牲者を出した山岳ベース事件は、あさま山荘事件と共に終結します。多数の犠牲者が出てしまったこの山岳ベース事件の終結と、山岳ベース事件が起きた背景についてご紹介致します。

山岳ベース事件の終結

残虐なリンチが行われた山岳ベース事件は、メンバーがバラバラに捕まり、先にもご紹介したあさま山荘事件という最悪の事件を起こして終結しました。脱走者を防ぐという目的もあったはずの総括は更なる脱走者を生むこととなり、このことも連合赤軍の内部崩壊に繋がったと言われています。

また脱走者は山岳ベース事件発覚後に自ら出頭していることから、脱走理由が自身の保身ではなく総括への参加に耐えられず脱走していたことが分かります。

言葉の一人歩きと一種の催眠

連合赤軍に参加していたメンバーは、特別な犯罪者というわけではなく、過激な活動をしてはいるものの、一般人や仲間を傷つけるような集団ではありませんでした。紹介した通り兄弟や夫婦での参加もあり、普通の状況であれば山岳ベース事件のような猟奇的な事件が起きることはなかったでしょう。

ではどうして山岳ベース事件のようなリンチ・殺人という残虐な行動をしてしまったのでしょうか。その理由は一種の催眠だったのではないかと言われています。永田洋子による支配が大きかったことやベース内の決まったメンバーのみとしか関わらない空間、また急速な共産主義化による思想の変化など、催眠の原因と思われる状況がいくつも重なっていました。

どのような催眠であったかははっきり解明されていませんが、残虐なリンチ・殺人に進んで参加したメンバーの精神状態はまともではなかったことでしょう。

また山岳ベース事件では「総括」や「敗北死」という言葉が一人歩きし、免罪符のように使用されていました。そのことが罪悪感を薄れさせ、山岳ベース事件でのリンチや殺人を正当化していたとも言われています。

いじめと同調圧力の心理

山岳ベース事件の犠牲者を見ても分かる通り、全体を通して20代の比較的若い世代が中心となって活動していたことが分かります。このことから、山岳ベース事件には若年層のいじめや同調圧力といった心理も働いていたという意見もあります。

メンバーの多くが、間違いだと分かっていて止められない心理状態であったことから、山岳ベース事件が起きてしまったと言われています。

山岳ベース事件に出てくる用語解説

今回の山岳ベース事件において、現在ではあまり使用しなくなった言葉や少し特殊な意味で使用されている言葉もありました。山岳ベース事件で使用された言葉についても解説致します。

学生運動とは

学生運動とは学生によって行われる社会運動や政治運動等を指します。学生運動の始まりは中世ドイツの大学自治権要求運動と言われ、社会を変革する力として勢力化していました。しかし全共闘や一部の過激派が暴力的な運動を起こし、殺害事件などが多発したことで衰退していきました。

連合赤軍とは

連合赤軍とは1971~1972年の間活動していた、新左翼組織のテロ集団です。先にも少しご紹介した通り、武器と資金面でそれぞれ行き詰った革命左派(日本共産党)と京浜安保共闘(神奈川県委員会)が統合してできた組織でした。

しかし実際には両派とも警察の動きによっても行き詰っており、大きな活動がないまま山岳ベース事件、あさま山荘事件によって衰退しています。

山岳ベースとは

山岳ベースとは連合赤軍が実質の活動拠点としていたアジトのことを指します。当時すでに指名手配されていたメンバーも多くいたため連合赤軍の都市部潜伏が難しく、山岳にアジトを作って活動していたと言われています。

共産主義化とは

森や永田洋子が掲げていた共産主義化とはどのようなものだったのでしょう。共産主義化とは、財産の一部(もしくは全部)を社会で共有することで平等な社会にしようという思想です。国や組織によって共有しようと掲げる範囲や形態が異なるため、定義は幅広いものであると言われています。

政治や経済分野における思想の一つであり、資本主義である日本に理論や政治体制の変革をと目指したものでした。

総括とは

総括にはバラバラの個々をまとめる、などという意味がありますが、今回の山岳ベース事件で使用された総括の意味は「反省」でした。しかしこの反省という意味にも、当然残虐なリンチの意味はなく、自身の残虐な行為を正当化する免罪符の意味が強かったとされています。

敗北死とは

記事内でも何度か使用した「敗北死」とは森や永田洋子らによって作り出された言葉です。共産主義化できなかった人に対し、「精神の敗北が招いた肉体の敗北」という意味で使用したもので、総括と同様、自分たちの残虐な殺害行為を正当化するために作り出された言葉でした。

山岳ベース事件犯人への裁判の判決とは

テロ組織内で起きた残虐な山岳ベース事件に対する判決はどのようなものだったのでしょう。生き残ったメンバーへの判決や主犯格への判決についてもご紹介致します。

山岳ベース事件の主犯格

山岳ベース事件の主犯格は赤軍派の出身である森恒夫と坂東國男、革命左派出身である永田洋子と坂口弘、吉野雅邦でした。森恒夫は共産主義化についてを唱えた実質の最高権力者であり、山岳ベース事件では「革命戦士の共産主義化」を追求することにより、総括を命じたと言われています。

また森と同じく赤軍派出身であった坂東國男は、この山岳ベース事件では森の言葉に忠実に従っており、積極的に残虐なリンチ・殺人に協力したと言われています。

革命左派出身である永田洋子は、森の次に権力を握っていた人物でした。森の唱える共産主義化に共感・協力し、メンバーの追及によって総括(リンチ)を指示しました。しかし実際には共産主義化について理解していなかったと言われ、ご紹介した通り、嫉妬などの理由でも総括を指示していました。

そんな永田の内縁の夫であり永田の次に権力をもっていたのが、坂口です。坂口はこの残虐な総括に対して疑問を抱いてはいましたが、それを言葉や行動に移すことができませんでした。その態度からか終盤には総括対象とされています。

しかし永田の夫ということもあり暴行を受けることはなく、永田と森が逮捕された後も連合赤軍を率いて行動、あさま山荘事件では最高権力者として指示を出す立場となりました。

12人目、6人目の総括対象となった山田孝と行方正時も、当初は主犯格である指導部のメンバーとして活動していました。しかしご紹介した通り総括の対象となり、殺害されています。

森恒夫は独房で自殺

逮捕後、主犯格の森は500枚の自己批判文を書きあげましたが後日それらを撤回しています。そして第一公判が行われる前に自ら首を吊り、独房で自殺しました。その自殺に対してのメンバーの反応はそれぞれ異なり、森に忠実であった坂東や吉野は森を擁護する発言をしたと言われています。

永田洋子・坂口弘は裁判で死刑判決

一審判決での永田洋子と坂口弘の判決は死刑でした。特に永田洋子の判決では「自己顕示欲が旺盛」「強い猜疑心、嫉妬心を有する」「女性特有の執拗さ」「加虐趣味」を挙げられ、性格に問題があると指摘されています。

「死刑」を宣告した2人以外は傷害致死である、と永田は主張しましたが判決は殺人罪のまま確定、死刑が宣告されました。

また坂口に関しては「反省の情には見るべきものがある」という弁護側の主張がありました。実際に森との手紙では「暴力の行使まではどんな理由があろうと正当化できない」と自分たちの起こした罪と向き合う言葉があったと言われています。しかし三番目に権力を持つ立場でありながら森と永田を制止できなかった点を指摘され、死刑が確定しています。

死刑は現在も執行されていない

しかしこの事件で確定した死刑は一つとして執行されていません。死刑判決が下った永田洋子にも、実際に死刑が執行されることはありませんでした。東京拘置所に収監された永田は死刑が執行される前に獄中死しています。死因は病気であり、脳腫瘍だったそうです。

また坂口は現在でも確定死刑囚として東京拘置所に収監されており、死刑が執行される予定は今のところ無いのだそうです。その理由は共犯者である坂東が国外へ逃亡し、裁判が終わっていないからだと言います。世間的に解決したとされているこの事件は、未だ裁判がすべて終了していない未判決の事件なのです。

その他メンバーの判決

殺人罪に協力したとして主犯格であった吉野には無期懲役、その他暴行に加わったメンバーにも4年から20年の懲役という判決が下りました。またそのうち1人は、当時16歳であったことから保護観察処分とされています。

山岳ベース事件の終盤には、異常な状況から脱走を試みる者も多くいました。事件発覚後、自主的に出頭してきた脱走メンバーには罪の意識を感じている者も多く、短い懲役判決が下っています。連合赤軍の起こした大量リンチ殺人事件は、参加したメンバーへ相応の判決が下されることで収束していきました。

山岳ベース事件は壮絶なリンチ殺人事件だった

死者12名という犠牲者を出した山岳ベース事件は、当時の人にとって忘れることのできない恐ろしい事件となりました。しかしご紹介した通り主犯格の一人は逃亡を続けており、現在も裁判は終了していません。逃亡を続ける坂東含め、全ての裁判が終了して初めて、事件の解決と言えるでしょう。

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この記事のライター
三橋
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